江戸時代から桜の名所だった上野公園。
お山に桜が咲くと、世界中からお客さんが集まります。
公園のパンダも大人気。
そんな上野の町を愛している長岡商事。
二丁目仲町通りに純喫茶を開いてから50年。
わたしたちが行ってきた様々な活動を紹介します。
わたしたち長岡商事は、ここ上野で50年間、ずっと商売をしてきました。当時の上野は『北の玄関口』と呼ばれていましたが、二丁目仲町通りは街路灯もなく、日が暮れると真っ暗になっていました。 そんな商店街に街路灯を作り、道路を舗装してアーケードを作ったのが創業者・前川清吉です。伊豆栄のご主人に、「こんなんじゃ町が死んでしまう。ワシがここまで自費で出すから、こっから半分はお前が出せ」と持ちかけ、私財を投げ打って地域貢献をしました。
バブルがはじけた頃、商店街にあったお蕎麦屋さんや日本画のお店さん、漆塗りのお店さん、いろんなお店さんがどんどんなくなっていく時期がありました。
商店街にお客さんを呼ぶにはどうしたらいいか。目をつけたのは上野のお山(上野恩賜公園)でした。公園の来園者数は年間一千万人以上。当時、長岡商事を手伝い始めた、現在の社長・前川弘美は、お山に来た人にお町にも来てもらえばいい、と考えました。しかし、お山のお客さんはお町にどんな店があるか知らないし、お町の人はお山でどんなイベントがあるか知りません。だから、お互いのことを知るために新聞を作ることを思いついたのです。
以前、雑誌の編集をやっていた前川が作った新聞は本格的。寛永寺の住職にお願いして、上野の歴史をわかりやすくまとめたりもしました。そんな前川の熱意によって、少しずつ、来園者の関心を得られるようになったのです。
その後も、わたしたち長岡商事は、どうやったら上野の町が賑わうか考え続けてきました。上野の町は、人々がとても足早に歩いています。表参道のように、ゆっくり歩いて散策、なんてことはしません。でも、ちょっと路地裏に入ったら、いいお店がいっぱいあるんです。焼肉屋さんも、お蕎麦屋さんも、天ぷら屋さんも、イタリアンや中華も、みんな美味しいお店ですし、猫が集まるステキスポットもあります。そのことを、お客さんに知ってもらいたいと思っていました。
そこで考えたのが、事前にチケットを購入してもらい、町中にある参加店をはしごしてもらうイベントでした。店ではなく町にお客さんを呼べば、路地裏のお店を知ってもらうチャンスができます。その計画は見事に成功。参加店さんからも好評をいただき、すでに10回を数えるまでになりました。
今後も、長岡商事だけではなく、上野全体が元気になれるような活動を続けていきたいと思います。上野の町を、みんながゆっくりと歩いてくれる日を目指して。